記事タイトル:[中級から学ぶ日本語]新語の扱い 


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お名前: 秋月 康夫    URL
 こんどは、『テーマ別 中級から学ぶ日本語』(研究社)の、
新出語の扱いについて、考えを書きたいと思います。

 これは、何も、この本がよくないと言いたいのではありませ
んが、なぜそんなことをするのだろうと、不思議な部分なのです。

 と、言うのは、この教科書では、『日本初歩』という、国際交
流基金の初級教科書に出ていない語彙が、新しく本文で使われる
と、それをすべて、各課の[新しい言葉]というコーナーに書き
出しているのです。
 これは、あって困るというものではなく、そのための努力には
敬意を払いたいくらいなのですが、しかし、あんなに大きな活字
で、ほとんど1ページをさいて、新しい単語をすべて載せる目的
が私にはよくわかりません。

 たしかに、自分が中学校で英語を習ったとき、教科書の各課の
NEW WORDSを最初に説明してもらってから本文を読んだ
ような記憶があります。しかし、日本で留学生に教えることを想
定して作ったのなら、教科書に出てきたときだけ、単語を覚える
と想定するのは、実状に即していません。
 また、教科書に出てきた言葉は、すべて確実に覚えなければな
らないとするのも、余り意味がありません。

 たとえば、23課を見ると、

   間引く 鎮魂歌 我が子 請う 

などと、ともに、
   
   屋根 涙 底

などか、新出語彙として並んでいます。これらの重要度は、あま
りに違います。そして、後者のグループは、それまでに日本で生
活していたら、すでに知っている可能性が高いし、上のグループ
は、知らずにいても会話にを感じるようなものではありません。
文献に出てきた時に辞書をひけばいいようなものです。

 別に、本に新出語彙がまとめられていて困ることはないのです
が、これだけ徹底していることで、語彙のコントロールを完全に
教科書に合わせなければならないという気にさせられてしまうこ
とが、変だと思うのです。実は、この教科書では、こうして本文
に出てきた既出語彙しか、後ろの練習問題でも使っていないので
す。それは、ある意味で見習うべきことですが、ある意味で、無
駄なこだわりのような気もします。そのために、文型にぴったり
の例文が使えなくなるのだとしたら、私は、文型練習の例文に、
初めての言葉を使用するほうをとります。

 ここで書いたことは、姉妹版である『テーマ別 上級で学ぶ日
本語』では、もっと大きな矛盾となって現れていると思います。
それから、同様のことが、漢字の提出についても言えるのですが、
新出漢字を網羅してリストを作ることにより、かえって、読み書
き同時習修という、あまりよくない方法を暗に強いることになり
はしないかと、心配です。
[1998/04/08 11:03:50]

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