(1999年1月16日から)

日本語授業日記のコーナー

以下の用語には注釈があります。 以下の資料をはりつけました。

表題リスト  

 過去の日記
1.ハンガナ
2.て形
3.結果の残存
1998.10.4 中学校の授業1 
1998.10.4 中学校の授業2 
1998.10.5 中学校の授業3 
1998.10.5 中学校の授業4 
1998.10.5 中学校の授業5 
 
 過去の日記リスト
 
 最新の授業日記


注意) 文中の【  】にはさまれた部分は、ハングルの発音を表すためのハンガナです。


1998.10.5-3   中学校の授業5

  40名をこす クラスの授業は、はじめてなので、いろいろと くふうしなければならないことが おこる。たとえば、2組にわかれて 会話をするのでも、くちで 指示したのでは ついていけないひとが かならず でてくる。

  そこで、「学院」にあった、ちいさな うさぎと くまの ぬいぐるみが重宝している。教室を うさぎさんと くまさんに わけて、ぬいぐるみにあわせて、はなしを させるのである。

  フラッシュカードも 拡大コピーして、ひとまわり おおきいものにした。これをセロテープで つなげておいて、黒板のうえから つりさげ、不規則な順序に さしたりして、文字をよませたりすると、みんなが ついてこられる。いまは、まだ、はじまったばかりで、たのしく参加してくれるけれども、今後、むずかしくなっていったときが しんぱいだ。
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1998.10.5-2   中学校の授業4

  中学校での出張授業の2日目は、簡単な自己紹介をテーマにした。

  まず、「おはようございます」「こんにちわ」などの かんたんな あいさつを ひらがなぬきで、おしえた。これは、すでに しっているひとも おおいので、だいたい おぼえたところで、表音ローマ字(発音記号のかわりに、こまかい発音のちがいをしめすことができるローマ字)で ハングルでは かきあらわせないような 発音上の注意をして、矯正した。やはり中学生は、発音の習得がはやい。くちと あたまが、やわらかいからだろう。

  つぎに、自己紹介シートを くばり、生年月日、年齢、職業などを うめていく。年齢・職業は、みんなほとんど おなじなのだが、まだ2回目の授業だから、かえって、コーラスできて、ちょうどよかった。

  ここで、年齢をおしえているところで、教頭先生が はいってきて、教室がきゅうにしんとなった。わたしは、別に臆するりゆうもないので、こどもたちに あてて きくついでに、教頭のとしを 日本語でたずねた。66さいの 教頭先生は 日本語ができるので、ちゃんとこたえてくれて、こどもたちの 喝采をあびていた。

  と、ここまでは よかったのだが、わたしは そこで、教頭に、「あとで 教員室に よってくれ」と いわれ、授業のあと いくと、教頭に、「なんで あんな むずかしいことを おしえているんだ」と、 注意された。自分のなまえの 前後に「わたしは」と「です」を つけるだけの ことが、どうして「むずかしい」と おもうのか、理解できないまま、だまっていると、「こどもたちには、”あ”は ”あんパン”の ”あ”と いうように やさしく おしえないと いけない」と いいだすから、びっくりした。この先生は、自分のうけた 日帝時代の日本語の授業をおもいだしているのだ。おもわず、「”あんパン”なんてことば、いまの こどもは、わかりませんよ」と 反論してしまった。すると、「”あひる”の”あ”でも いい」と いう。

  これ以上、ふかいりしては ロクなことに なりそうにないので、「先生、わたしたちは 韓国人の先生と交代でおしえていますから、きょうは、韓国人の先生が はいるまでの あいだ、わざと、ひらがなを つかわずに おしえましたが、これから、順々に ゆっくり かなは おしえていきますから、心配しないでください。」と、いって、納得していただいた。

  きっと、束草の中学校で 外国人がひとりで授業をするなどというのは はじめてのことなのだろう。なにをやっているのか、興味をもつのも、無理はない。ただ、おなじ「日本語」をおしえていても、いまは、植民地支配下で韓国語を禁止して日本語を強制するような時代とは ちがうのである。当然、方法も、アプローチのしかたも、おなじであってはならない。また、そうでなければ、中学校段階での「日本語」の授業は、早晩、おおきな反発にあうのにきまっている。このことは、時間をかけて、理解しあっていかなければならないことだと おもう。
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1998.10.5-1   中学校の授業3

  束草女子中学校での出張授業の初日は、アンケートをとった。

  なまえ、生年月日、血液型。血液型の ところで、「わからない」という ことばを おしえるつもりで、選択シに いれておいたのだが、 しらないのは ひとりだけだった。
  とし、職業などは、全員が ほぼおなじだから、きくまでもないので、つぎのひの自己紹介のときに まわした。
  そして、しっている日本人の なまえ。なんと、ほとんどが、X−Japanか そのメンバー、そして、「ナカタ」と かいた。もちろん、サッカーの中田である。それから、すこしいたのが、「シュー」。これは、ただしくは韓国人である。人気女性アイドル歌手グループで、日本進出をはたしている「S.E.S」の3人のメンバーの うちの ひとりで、中学まで 横浜でそだったという在日韓国人だ。
(このひと、すこし 韓国語が苦手である。「S.E.S」が活動拠点を日本へうつしてから最近は、【,*そ_`くl】(circle)という これは、日本国籍で日本そだちの日本人ふたり、韓国人ふたり、中国人ひとりの5にんぐみが出現し、こちらも大人気である。そのうち このグループも日本へいくとのうわさがある。)

  さて、つぎに きいたのが、興味のある日本の文化。最初、質問の意味がわからないひとがいたので、「すもう」の まねをして、そんなものを かけばいいのだと いったのだけど、もちろん、「すもう」と かいたひとは いなかった。なんていったって、韓国の うらわかい おんなのこなのである。(韓国では、衛星放送などで日本のすもうをめにすることは すくなくない。しかし、これは、スポーツとしてよりは、日本の いやらしい習俗のひとつとして うけとられているふしがある。イメージのなかで、すもうは、混浴の習慣などと むすびついていると いえるかもしれない。)結局、この項目のこたえで、いちばん おおかったのは、`け,ろk,`と  k'er`okt'`o】で あった。これは、イングランド語でいう CHARACTER なのだけれども、ようするに、アニメじたいは よく しらないか、入手しても理解できないけれども、そこに でてくる登場人物の かお・かたち・すがたに 興味をもっているのである。

  さいごに、すこし時間があまったので、アンケート用紙のうらに 自分のかおを えにかいて、だすようにいった。えが へたなひとは、わたしへの メッセージでもいいと いったのだけれども、なんにんかが、自画像のかわりに、す`てぃ*,こさ+チn】つまり、「ステッカー写真」もとい、プリクラ写真を はってくれた。ただし、ほとんどが サングラスを かけていて、だれがだれだか わからなかったけれども。
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1998.10.4-2   中学校の授業2

  束草女子中学校での出張授業は、直前になって、30数名のみこみが、80名になったので、「学院」の韓国人の先生(院長でもある)と、ふたりで 担当することになった。クラスわけは、実力別ではなく、どちらも はじめて日本語をならうことになるので、平等をはかるためにも、ふたりで 交代で おしえなければならない。

  しかし、韓国人の先生と、わたしとでは、おしえかたや、重点のおきかたが 相当、ちがってしまう。れいをあげれば、韓国人の先生は、ひらがなを1日で おえて、教科書にはいっていってしまう。これは、文字をつかわないで おしえるということではなく、「文字は 自分で おぼえろ」と いうことである。これにたいして、わたしは、ひらがなの授業をしながら、発音をなおしたり、単語になれさせたり、教室での指示のことばに なれさせたり、文字をかくときに かたちに きをつけさせたりと、かなりの時間を必要としてしまう。そして、その間は、教科書はすすまないが、教科書をすすめるための基本をみにつける大切な時間なのだと感じている。

  そんな ことが あるので、2人の 分担の方針をきめるのには、苦心した。結局、最近、時事日本語社から韓国語版が出版された『日本語1・2・3』と いう教科書を採用し、これを 韓国人の先生に担当してもらい、わたしは、しばらくのあいだ、いちど 簡単におしえた ひらがなを 復習しながら、教科書を おいかけるようにして、応用練習を工夫していくことにした。教科書を 実質的に つかわないことになるから、ちょっと つらいけれども、しばらくは ひらがなが 中心になるし、1回45分だから、ひとつのアクティビティーだけで つぶれてしまう。こんな した準備をへて、出張講義は はじまった。
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1998.10.4-1   中学校の授業1

  9月23日から、束草女子中学校での出張授業がはじまった。

  韓国では、今年のなつ、学校での いのこり授業が廃止になった。それまでは、正規の授業がおわったあとも、学校の教師が なかば強制的に生徒たちをいのこりさせ、集団で勉強させていたのである。
  それが、廃止されたことで、わたしの勤務さきの ような「学院」には きやすくなった。しかし、それでは、いえに おかねの 余裕のあるいえばかりが、塾にかようことになると いうので、こんどは、この あきから、学校が 「学院」などの教師に 委託するかたちで、講座をひらき、「学院」より やすく 課外学習ができるようにしたのである。

  この結果、もとに もどってしまったのではないかと おもえなくもないけれども、とりあえず、受講生は やすいとはいえ、おかねをはらってくる希望者だけだし、日本語は正課にないから設置されたけど、英語や数学のような 本来、中学校の授業にある教科は これにふくまれていない。
  いわば、韓国版「ゆとりの教育」と いうことに なるのかもしれない。

  さて、日本語はというと、なんと、80名もが あつまってしまった。束草では、この女子中が、この 委託講座のテストケースで、今後、ほかの中学にも ひろまっていくかもしれないので、それを かんがえると、希望のもてる数字である。しかし、講座は、1か月ごとに希望者のみ更新する制度で、とりあえず、今年いっぱいつづけられるだけである。しかも、日本語のばあい、入門からやっていくから、2か月め、3か月めは、新規の希望者がいても、うけつけられないと、こちらから条件をつけてある。だから、来月には、半分以下にへることも かんがえられるのである。きびしいといえば、きびしい。

  80名をふたつわって、40名ぐらいずつの2クラスが つくられた。正直にいって、学院の収入は、ふつうの7名ぐらいのクラスにも およばない。しかし、わたしに とっては、はじめての 大人数の授業で、精神的なプレッシャーも ふくめ、それまでの昼寝の時間をうばわれたうえ、準備に膨大な時間をとられることに なってしまった。準備といっても、どうしようか あれこれ なやんでいるのが 大部分だから、ハタメには、あそんでいるみたいで、だれも同情してくれないものだから、なお、タチが わるい。

  2週間がすぎて、やっとなれてきたが、はじまって数日までは、たいへんだった。

  開始の ひは、のびのびになって、その週のまえの週の金曜日に突然、いいわたされた。火曜日にうちあわせがあるという。そして、火曜日。校長室にとおされ、委嘱状をうけとった。
  わたしが 担当するのは 2年生だけれども、ほかの学年もあるから、ほかの学院などの日本語の教師もきていた。そのなかの ひとりは、わたしが 日本人だとしると、日本語で はなしてくるのだけれども、その ひとこと ひとことが、すこしずつ、文法的にへんだ。この先生、かつて某高校で おしえていたのだそうだけれども。そして、わたしと いっしょに きていた わたしの「学院」の 院長に、韓国語でこういった。「この 日本人の先生、ひとりで 授業できるのですか?」。こんなことは 韓国では よくあることだから、いちいち 相手にしないで、無視するのにかぎる。しかし、いわば、このテの「韓国のハジ」は、本人が自覚していないところからロテーするのだから、たちばをかえて、自分もきをつけるにしくは ないだろう。
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