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Article #: 8156 (Res to #8155) / Entry Date: 02/02/21 12:07:24
From: きんちょ
Subject: 研究しているのは原義なのか、現代の意味なのか
Message:  Shujiさん、こんにちは。

 何回も にたようなことをいってきたので、「またか」と おもわれるかもしれませんが、…

> 「隣(となり)」は左部の「こざとへん」が「むら」を
> 表し、…

「隣人」という漢語の意味を歴史的に さかのぼって かんがえるとき、「隣」という漢字が ふるい中国語で どのような意味の語をあらわしていたかということを考察するのは まだ わかりますが、「おとなりさん」という和語の意味を考察するのに、「隣」という漢字の原義にあたるというのは、へんだと おもいます。

また、漢字の字解が かならずしも その漢字が 中国語で あらわす語義と一致するとは かぎらないでしょう。(漢字の構成がその字が つかわれる語の意味を規定するという面も あるかもしれないけれども、大局的には まず音声言語としての古代の中国語が あって、その古代の中国語の語に漢字が あてられたと みるべきだと おもいます。) 

> 「横」は「避(よ)く=よける」と同根で「中心を
> 外す」が原義ですから、…

こんどは漢字の字解ではなく、和語の古義に説明の出発点をもとめていますね。「となり」の説明は「隣」という字の なりたちから はじまり、「よこ」の説明は和語の語根からはじまるというのは、なんとも納得が いきません。

率直な印象をのべれば、こういうのを「ご都合主義」と いうのではないかと わたしなどは おもってしまうのですが、いかがでしょうか。(字義や語根の意味をみごとに うらぎった現代語の用法も さがせば枚挙にいとまがないでしょう。)こんな権威づけもどきのことをしなくても、現代の日本語の使用例をあつめて分析すれば すむことではないでしょうか。たまたま、ふるい意味との連続性が のこっていたというだけで、それが いつまで のこっている必然性は ないのですから。極端な はなし、あと100年もしたら日本語から「となり」が きえて、全部「よこ」になっている可能性だって あるのです。

 古語の意味をさぐるときに、現代語に かすかに のこっている その痕跡をてがかりにするというのは有効な手段かもしれません。しかし、その逆は無意味だと おもいます。だって、現代における意味は、現代をいきるひとが いちばん よく しっているのですから。

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