発言者: きんちょ
発言日: 01/07/19(Thu) 14:14
Sakananomeさん、こんにちは。
昨日の投稿では、わたしの紹介が、原典と ちがっている点があったこと、ご指摘くださり、ありがとうございました。
その ご投稿のコメントには すでに回答したのですが、1点、気になるところがあるので、再度 とりあげたいと おもいます。
それでは、本論に うつります。
Sakananomeさんの、以下の ご批判ですが、……
> ここでの説明は、説明を求めている時には
> 「何をしているんですか」を使わなければ
> ならず、「なにをしていますか」は使えな
> いと言っているような印象ですが、こらは
> かなり変です。
きのうの回答では はっきりさせませんでしたが、よく よんでみると このSakananomeさんの、辞典の記述に対する理解のしかたにも問題があると おもえてきます。
たしかに、この辞典での説明に かぎらず、「〜ん(です)」が「説明をもとめる」とか「説明をする」ときに つかわれるというようなことは よく いわれています(たとえば『日本語のシンタクスと意味2』寺村)。ただ、このような文法説明で つかわれている「説明」という用語は、いきなり日常の意味で解釈しては いけないでしょう。
たとえば、学校の教室で、教師が生徒にむかって「問題3の こたえは どうしてcになりますか?」と質問したという状況でも、日常の ことばでは、「教師は生徒に説明をもとめた」と表現できます。遅刻してきた生徒に対して「どうして おくれたんですか?」と質問した状況でも、同様に「教師は生徒に説明をもとめた」と表現できます。しかし、この辞典の ここでの記述に つかわれている「説明」というのは、前者のことではなくて、後者のことだということだということは、はっきりしています。
この辞典では「AさんがBさんに説明する」ということを一般的に いっているのでは ないのです。まず「まえもって はなしてと ききてが みたり きいたり していること(共有情報)」というものがあり、その「まえもって はなしてと ききてが みたり きいたり していること」に対して「説明をしたり、説明を要求したりするときに つかう」ということだと かかれています。さきほどの例でいえば、教師が「生徒が遅刻した(共有情報)、ということまでは わかるけれども、その理由が わからない」というときに、その「理由」をたずねるのが、ここでいう「説明」の要求です。教師が「問題3の こたえがc」であることばかりか、その「理由」も わかっていて、生徒はといえば、もしかしたら「こたえがc」であることすら理解していないかもしれない(共有情報になっていない)状況下で質問するようなケースは、ここでいう「説明を要求する」ということに該当しないのです。
ですから、この辞典の記述から「説明」という ことばだけをとりだして議論するのは、この辞典が いおうとしていることの正確な理解に もとづく批判に なっていないと おもいます。
もう一度、該当する辞典の記述を引用してみます。
| たとえば、
|
| A:なにをしているんですか。
| B:日本語を勉強しているんです。
|
| では、Aは Bが している ことをみて、
| その説明をAに要求しているので「ので
| す」を使用している。この状況では、
|
| A:なにをしていますか。
| B:日本語を勉強しています。
|
| は よくない。しかし、もしも、Aが、
| Bが なにかをしていることを単に想像
| だけして たずねるのであれば、
|
| A:あなたは いま なにをしていますか。
| B:日本語を勉強しています。
|
| というような会話になる。
ここでは、「説明を要求する」ということも重要ですが、それ以上に、「Aは Bが している ことをみて」というところがポイントだと おもいます。これに対して、「〜ん(です)」が つかわれないと されている例文では、「Aが、Bが なにかをしていることを単に想像だけして たずねる」という部分が重要です。この具体的な背景描写が対比されているところが、ここでの説明のポイントであり、よみてに わかりやすく説明しようと、執筆者が工夫した ところなのに、Sakananomeさんは、それをよみおとしてしまっていて、そのうえ、
> 「共有している情報」「説明する」「説明を
> 要求する」と言うような用語はあまりにも
> 抽象的過ぎて、「んです」の働きを「説明」
> していることにはならないと思います。
と批判しています。実際には、もっと具体的な記述があるのに、そこをとらないで「抽象的すぎる」と批判するのは、フェアな態度では ありませんね。
さて、ここまでの わたしの意見を考慮しても、Sakananomeさんは、
> 「何をしていますか」でも「説明をもとめる」
> ことはできるし、「何をしているんですか」で
> 単に何をしているかを聞くこともできます。
> 「いるんすか」と「いますか」の違いは、ここ
> ではつかうべき、ここではつかえないと言うよ
> うな大きなはっきりとしたさではないのです。
と おかんがえなのでしょうか。別の いいかたで質問すれば、「
Aが、Bが なにかを しているのをみているが、そのBの行動が なにを意味するか よく わからないので質問するときでも、「いま何をしていますか」と いえる[α]し、Aが、Bが なにかをしているのか、していないのかを、ただ想像する以外に判断できる情報をもたずに、自分が しりたいから質問するというときでも、「いま何をしているんですか」と いえる[β]。
」と、おかんがえなのでしょうか。
わたしは、Sakananomeさんも、さすがに[α]は無理だと いうことには同意してくださるのではないかと期待しているのですが。[β]に関しては、そういうケースも ありうると おっしゃるかもしれません。そのことについては、この辞典にも末尾の部分で ふれられていますよね。[β]のようなことは、ふつうは生じないが、もし生じたケースは、「わざと、まるで、ききてと はなしている話題に対して情報と興味を共有しているかのような はなしかたを えらんで つかっているのだと みることが できる」のだと。
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