つぶやき会議室

つぶやきなのに、会議室です。会議室ですが、つぶやきます。

1998/08/29(17:48) from 164.124.70.171
作成者 : きんちょ (AKIZUKI@chollian.net) アクセス回数 : 76 , 行数 : 109
Re: いわゆる「テ形」について
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 こんにちは。あきづきです。 morishinさんの 投稿に関連して、おもったことをかきます。



 morishinさん いわく、




      けさ読んだ「日本語動詞の諸相」(ひつじ書房)に書いてあったことなんですが、今まで見てきたのよりずっとシンプルなので紹介します。




 こんにちは。あきづきです。 morishinさんの 投稿に関連して、おもったことをかきます。



 morishinさん いわく、


      けさ読んだ「日本語動詞の諸相」(ひつじ書房)に書いてあったことなんですが、今まで見てきたのよりずっとシンプルなので紹介します。




    (1)s:語基(語幹+i)+te 例)貸す:kas-i-te
    (2)k:[k]脱落       例)書く:ka[k]-i-te
    (3)g:[g]脱落       例)かぐ:ka[g]-i-de
    (4)t:[i]脱落       例)持つ:mot-[i]-te
    (5)r:[i]脱落       例)なる:nar-[i]-te
    (6)w:[i]脱落       例)買う:kaw-[i]-te
    (7)n:[i]脱落       例)死ぬ:sin-[i]-de
    (8)m:[i]脱落       例)読む:yom-[i]-de
    (9)b:[i]脱落       例)飛ぶ:tob-[i]-de



      国文学で汚染された思考方式からは、まだまだ慣れなくて複雑だと感じるかもしれませんが、いわゆる音便形が[k][g][i]脱落の3つにまとめられます。少し形態論的な考えに慣れさえすればこちらのほうがずっとシンプルで文法のための文法という感じではなく、実際の言語習得にそったものであるという印象がするんですが、どう思いますか。



  この まとめかたの前提に、子音おわりの語幹をたてるという かんがえが あるわけですよね。



  うえの表では、いわゆる五段動詞の規則(「いく−行く」、「とう−問う」 などの例外をのぞく)が のべられているのですが、そのまえに、いわゆる一段動詞は母音おわりの語幹をもっていて、これについては、




    (11)i:語基   +te 例)煮る:ni-te
    (12)e:語基   +te 例)寝る:ne-te



と いう規則があるということです。そして、s,k,g,t,r,w,n,m,bで おわる語幹のばあいには、iをつけて語基をつくるのに対して、いわゆる一段動詞では、語幹がそのまま語基になると かんがえるのが 一般的だろうと おもいます。



  ところが、もし、この語幹というものを、終止(辞書)形からuをとることによって えられる ものだと 定義したら、どうなるでしょうか。



     
    寝る: 語幹=ner  語基(語幹からrが脱落)=ne  語基+te=ne-te



ということになります。なんだか、韓国語の “リウル(R)語幹の脱落”を おもいだしませんか?


  さらに、語基という かんがえかたを おもいきって、すてて、語幹に「te」を つけるのを 原則にしたらどうでしょうか。




    (1)s語幹:
    [i挿入]+    +te 例)貸す:kas-i-te

    (2)k語幹:
    [i挿入][k脱落]
    +te 例)書く:ka[k]-i-te
    (3)g語幹:
    [i挿入][k脱落]
    +te 例)かぐ:ka-《後方有声化》-[k]-i-te
    (4)t語幹:         +te 例)持つ:mot-te
    (5)r語幹:         +te 例)なる:nar-te ;rt→tt
    [後方同化]

    (6)w語幹:         +te 例)買う:kaw-te
    ;wt→tt
    [後方同化]

    (7)n語幹:         +te 例)死ぬ:sin-te
    ;nt→nd
    [鼻音化融合]

    (8)m語幹:         +te 例)読む:yom-te
    ;mt→nd
    [鼻音化融合]

    (9)b語幹:         +te 例)飛ぶ:tob-te
    ;bt→nd
    [鼻音化融合]

    (10)ir変格:
    [r脱落]     +te 例)煮る:ni[r]-te
    (11)er変格:
    [r脱落]     +te 例)寝る:ne[r]-te
    (12)ur変格:
    [r脱落]
    [i挿入]+te 例)来る:ku[r]-i-te
    ;ui→i
    [母音融合]

    (13)k変格:         +te 例)行く:ik-te ;kt→tt
    [後方同化]




ちょっと複雑になりましたが、[i挿入][k脱落][r脱落][後方同化][鼻音化融合][母音融合]の 7種類の変形規則で、いままで「例外」とされていたものまで 処理できるのですから、わるくはないと おもいます。でも、gのところの、“《後方有声化》-[k]”という処理は、くるしいものが あるような……。



  このように かいてみたのは、[r脱落]という 概念を もちこむことで、いわゆる「サ変」「カ変」動詞を「一段動詞」と おなじ規則のなかに くみこめないかという ことと、「ない形」の しくみを かんがえるときに、否定の助動詞を「-anai」という かたちで 統一してかんがえ、語幹に「-anai」が つき、それと[r脱落]と音韻変化の法則だけで 記述できるのではないかと いう 気がするからです。



  ちょっと やってみます。




    (1)s語幹:    +anai 例)貸す:kas-anai
    (2)k語幹:    +anai 例)書く:kak-anai
    (3)g語幹:    +anai 例)かぐ:kag-anai
    (4)t語幹:    +anai 例)持つ:mot-anai
    (5)r語幹:    +anai 例)なる:nar-anai
    (6)w語幹:    +anai 例)買う:kaw-anai
    (7)n語幹:    +anai 例)死ぬ:sin-anai
    (8)m語幹:    +anai 例)読む:yom-anai
    (9)b語幹:    +anai 例)飛ぶ:tob-anai
    (10)ir変格:
    [r脱落]+anai 例)煮る:ni[r]-anai
    ;ia→i
    [母音融合]

    (11)er変格:
    [r脱落]+anai 例)寝る:ne[r]-anai
    ;ea→e
    [母音融合]

    (12)ur変格:
    [r脱落]+anai 例)来る:ku[r]-anai
    ;ua→o
    [母音融合]

    (13)ur変格:
    [r脱落]+anai 例)する:su[r]-anai
    ;ua→i
    [母音融合]




(12)番の母音融合と(13)番の母音融合は矛盾しているようにみえますが、「くる」のときの「u」と「する」のときの「u」は、音声としてはちがうものなので、「す」の発音につかわれる ナカジタ(中舌)化したタカボイン(高母音)の「u」と「a」が融合して「i」になると いうのは、そんなにヘンな説明ではないと おもいます。融合したあとにくる「n」の シタ(舌)の位置にも 影響をうけるわけですし。


  morishinさんの投稿をいただいてから、触発されたことと、いままで 漠然とかんがえていたことを かいてみました。まだ、おもいつきみたいなものですけど、意見を いただけると さいわいです。











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