つぶやき会議室

つぶやきなのに、会議室です。会議室ですが、つぶやきます。

1998/06/20(03:07) from 143.90.207.246
作成者 : スグル (series@anet.ne.jp) アクセス回数 : 76 , 行数 : 126
Re: Re^2: 労働力動員と慰安婦徴集での強制連行
スグルです。

>ひとつに、「自由主義史観」の ひとたちのおおくが、朝鮮人
>男性の強制連行を「奴隷がり」のようにイメージしている

いいえ、それは誤解です。僕は「朝鮮人男性の強制連行」を奴隷狩りとイメージしてはいませんよ。それに「自由主義史観」を代弁したつもりもありません。僕は秋月さんの

>もともと日本の教科書でも韓国の教科書でもかかれていた、
>「朝鮮人の強制連行」というのは、法律や公の命令に直接の
>根拠をおかないけれども総督府などの日本の公権力がふかく
>関与した強制的な徴集のことなのではないか

この文章を受けて僕は「一般に教科書ではそのような意図的に拡大された解釈は使われていない。」と反論したのです。そこから話を進めて「朝鮮人強制連行とは教科書では『国家権力による強制』として教えられる。しかも『奴隷狩り』とセットで。まずそれを見た中学生が『強制連行』という言葉にどのようなイメージを持つ事になるかは容易に想像できるはず。これに続けて慰安婦を教えれば誤解を招く事必然だ。世に認識されている強制連行とは、イメージ的に「奴隷狩り」なのでは」という趣旨で論じました。
現在、教科書やマスコミ報道でも「強制連行」を語るときは必ずと言っていいほど朝鮮人男性の悲惨な奴隷狩り的強制連行などが紹介されます。そういった風潮の中で世間が「強制連行」に対してどのようなイメージを持っているのか?その例として教科書記述を提示しました。これを見れば自ずとわかってくるのではないでしょうか。秋月さんは下のように記述されましたが、

>(か、あるいは、従来の日本や韓国での教育現場での認識が
>そうであるとイメージしている)

というだけではなく、「奴隷狩り」イメージは教育現場・マスコミから一般人へと受け継がれる事になり、すでに多くの人々に広まっている可能性が大です。まず情報を与える側(マスコミなども含む)の認識で「軍が悪いことした」というのが自明であり前提。日本でも教科書を見てみれば、執筆者が奴隷狩りのように教えようとしていることは明らかでしょう。そしてそこから徴兵・徴用や慰安婦へと話をつなげていく。誘導の道筋が出来あがってしまっているのです。

>スグルさんの理解だと、従来「慰安婦」以外でも「奴隷がり」
>のイメージがつよく、それだから いっしょにしてはいけない
>と いうことですね。

「一緒にしてはいけない」というのは、国家権力で狩り集めたケース(徴兵・徴用)と業者にダマされた本人の意思に反した狩り集めのケース(慰安婦)は全く別次元の話であり、両者を同一視してはいけないという意味で言ったのです。僕は最初の投稿の中で

>前提として韓国では「慰安婦は日本軍によって奴隷のように強制
>連行され、屈辱的な辱めを受けた」とマスコミの報道や教育の中
>で教えられ、それが韓国全般の共通認識になっているという事実
>があります。「狭義・広義」の論争を見て困惑を感じたというこ
>とは★★さんもそのような共通認識を持たれていたのだと思いま
>す。(*6/11スグルより)

こう書きました。★★さんが慰安婦強制連行に対してどのくらいのイメージを持たれていたかはわかりません。しかし「一部の言論での主張をしり、困惑を感じた」若者だと秋月さんは書いていましたよね。加えて手紙の内容(「いわゆる自由主義史観のひとたちが言っていることは…」と書いている事)から察するに★★さんが困惑を感じた「一部の言論での主張」とは自由主義史観派(もしくは強制連行ナシ派)の主張のことだと思います。
そういった人に対して秋月さんの手紙が誤解を招く事になる可能性が強いのは容易に想像できるでしょう(もちろん他の読み手に対しても)。なぜなら秋月さんは手紙の中でこう記述しているからです。

>実際は、日本の政府が、洞や面の事務所に「◯◯人、あつめろ」
>と、命令して、洞や面の事務所のひとは、いうことをきかないと
>罰せられるから、しかたなく、むらをまわって、有力者に圧力を
>かけたりして、はたらける おとこをさがして、つれていったの
>でしたね。
>「従軍慰安婦」も、おなじようなものでした。
(中略)
>もともと強制連行というのは、もっと広義のものだと かんがえ
>なければならないと、わたしたちは いっているのです。これは
>、「朝鮮人」の男性の強制連行の定義をかんがえても、あたりまえ
>のことだと、おもいます。

この記述を見れば「徴兵・徴用」と「慰安婦」を同一視しているように取れるのは明らかでしょう。両者共に国家権力で狩り集められたかのように表現されています。読み手に誤解を与える事は必然です。ここで断っておきますが、広義であろうと狭義であろうと、実際に国家権力で慰安婦を狩り集めたことが明らかになれば、日本に言い訳の余地はありません(千田夏光氏が著作の中で書いたように、挺身隊が慰安婦にさせられたなどという事実が発覚すれば、これぞまさに「軍命令による強制連行」であり、国家犯罪として即賠償へとつながる事になります)。それが証明されていない以上、両者を同一視するような事を匂わす記述は読手に誤解をもたらす結果になると思います。

>「慰安婦」の場合には、たぶんひとりずつ さらっていって、最
>初につれていったさきで、人数がそろうまで監禁したということ、
>あるいは、「慰安婦」の場合は"だまし"によるものが おおかっ
>たけれども、男性の徴発のばあいは権力を背景にした圧迫が お
>おかったということぐらいでしょうか。
(中略)
>もし、これを「奴隷がり」と よぶのなら、わたしは「慰安婦」
>の徴集も「奴隷がり」だったと いっていいと おもいます。
>そこには、

>  1.法的手続きをふまずに、あつれられている
>  2."だまし"や権力を背景にした圧迫などの、強制がは
>    たらいている
>  3.いちど連行されたら、あとから抗議しても解放されな
>    い

>という特徴があるからです。

僕はそのようなケースを「奴隷狩り」と呼んではいません。ついでに言うと僕が問題にしている国の責任を問える「強制連行」とは、軍命令(国家権力)によるもの、すなわち銃をちらつかせて暴力で拉致するケース(これを僕は奴隷狩りと呼んでいます)、そして国民の義務として強要する(挺身隊を無理矢理慰安婦にさせるような)ケースの事ですので。
それと上記の記述からだとダマし、監禁した主体が何なのか書かれていませんね。「主語」を提示してください。

>わたしが「なかったか、とてもすくなかっただろう」とおもう
>「狭義の強制連行」というものは、この「奴隷がり」のなかで
>も、とくに、軍が直接のりこんで、むきだしの暴力でおこなっ
>たような特殊なものだけです。そんな特殊なケースの有無を議
>論することよりも、うえのような 性格の連行がされたことを
>中学生が認識することのほうが、何倍も大切だと おもいます。

ええ、ですから「普通に授業を聞いてれば『強制連行は奴隷狩り』と認識して終わりだ」と反論したのです。
秋月さんに質問したいのですが(これはあくまで1つの例ですが)、奴隷狩りのような強制連行を徴兵・徴用とセットにして授業を進められれば、はたして中学生は「強制連行」という言葉に対してどんなイメージを持つことになるでしょう?そしてそれに続けて慰安婦を紹介されればどう認識する事になるでしょう?秋月さんのおっしゃるような「法律や公の命令に直接の根拠をおかないけれども総督府などの日本の公権力がふかく関与した強制的な徴集のこと」という拡大した認識を持ってくれると思いますか?
それと「法律や公の命令に直接の根拠をおかないけれども総督府などの日本の公権力がふかく関与した強制的な徴集」とはかなり抽象的な表現ですが、具体的にどういったものなのでしょうか?
「朝鮮人男性の強制連行」とは国家権力によって、国民の義務として兵士になることや労働に従事することを強要されたケースです。もちろん本人の意思に反したものであったことは間違いないし、言い訳は出来ないものです。しかし慰安婦はそれとは全く別質のものです。これを歴史的事実として確定していない証拠不充分な状態のままで、同一のものであるかのように中学生に語り、認識させることは「アンフェア」と言わざるを得ません。

>この、「狭義」と「広義」のちがいに即してかんがえたら、慰
>安婦問題もそれ以外の強制連行も、実態は「おなじようなもの
>」だろうと かいたことが、どうして「とてもそう取ることは
>出来ない、読み手に対して誤解を招く可能性がきわめて高い」
>などと いわれるのか、理解にくるしみます。

理由は前半のとおりです。そして独立記念館「従軍慰安婦」VTRナレーションについてこう言っておられますが、

>これでは、国家総動員法と、「慰安婦」の関係がよくわかりません
>ね。ただ、「国家総動員法」という法律はありましたが、これは、
>具体的な「国民徴用令」「徴兵令」に根拠を与えるもので、それら
>がまだ発動されていない段階でも強制連行ははじまっていたことを
>かんがえると、これは単に背景を説明しただけだとかんがえるのが
>いいように おもいます。

僕は「関係がよくわからない」どころか、国家総動員法によって慰安婦を狩り集めたと認識しているようにしか取れないと思います。「国家のために我慢しながら仕事しなければならないという名目で」と記述している事から、これは「挺身隊=慰安婦」からくる錯誤だと思われます。韓国の中学校用教科書については秋月さんの新しい投稿がありましたので、次にまわします。高校の国定教科書の翻訳ですが、とても参考になります。

>「挺身隊」に関しても「名目」とかかれていて、「女子挺身勤労
>令」が適用された女子勤労挺身隊員と、「慰安婦」としての犠牲
>とは きりはなしていることがわかります。

おそらく韓国の高校教科書で記述されている「犠牲」とは慰安婦の事を指すのでしょうね。しかし「切り離して」いるかは疑問です。この記述からだと教科書執筆者が「慰安婦は挺身隊を指すもの」と認識しているように取れます。

>そこには、「挺身隊」と「慰安婦」の混同(「挺身隊」の名目が
>なくても「慰安婦」にさせられた ひとが多数であることを無
>視している)がありますが、

え?挺身隊と慰安婦の混同?秋月さんの認識では「切り離している」んじゃなかったんですか?

>「挺身隊」というのが名目でしかなかったことも明記されてお
>り、徴兵令や徴用令の適用のように、「慰安婦」を合法的かつ
>強制的に徴発する法令があったという意味にはとれないのです。

取れませんか?その教科書の記述からでは「慰安婦は挺身隊を指す」と認識しているように取れるし、徴兵・徴用のように国家権力で集めたと言っているとしか考えられませんよ。だって本文には

>わが民族の青年たちは、志願兵という名目、あるいは徴兵制と
>徴用制によって日本・中国・サハリン・インドシナなどへ強制
>動員されて命をおとす一方、女性たちまでもが挺身隊という名
>目でつれさらわれ犠牲になった(*韓国高校教科書)

上記のように書いてあるわけでしょう。教科書記述を見る限り「命をおとす一方、女性たち『までもが』」と続けているところから、完全に(教科書で言えば「青年の」)徴兵・徴用と同一視しています。この錯誤がある限り「国民の義務」として強制を受けて犠牲になった、と認識しているとしかやはり取れません(挺身隊はまさしく国家権力によって義務づけられたものですからね。それを執筆者が慰安婦と混同しているなら重大問題です)。
慰安婦問題の浮上と共に92年には「小学生まで慰安婦にさせられていた!」というショッキングな報道が韓国の新聞紙上で一斉に流れ(これも「挺身隊=慰安婦」による錯誤ですが)、その後各地の学校で調査が行われ、学籍簿に挺身隊の記述があればすべてそれは慰安婦にされたものと解釈したそうです。そこからも考慮すると日本・韓国において「法律や公の命令に直接の根拠をおかないけれども総督府などの日本の公権力がふかく関与した強制的な徴集」という拡大した認識を持っている可能性は果てしなくゼロに近く、ものすごく無理があると思います。

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