つぶやき会議室

つぶやきなのに、会議室です。会議室ですが、つぶやきます。

1998/06/25(15:09) from 164.124.67.133
作成者 : きんちょ (AKIZUKI@chollian.net) アクセス回数 : 35 , 行数 : 250
【慰安婦問題】韓国政府内の報告書について
 ひきつづき、64番の投稿にたいする回答です。
今回は、韓国政府の内部報告書に関する部分について
かきました。
 
 
 わたしが「【慰安婦問題】強制連行について」と題して
ここに投稿した文章について、おなじ この場で反論があり、
韓国政府内で つくられて1992年7月31日付で公にさ
れた『日帝下軍隊慰安婦実態調査 中間報告書』について、
つぎのような指摘がありました。

    ダマしたり身売りで慰安所に来た女性がいる事を韓
    国政府が「認識」している事については認めますが、
    あくまで韓国政府が問題にしている事は「狭義の強
    制連行」でしょう。この報告書の「根拠」をお忘れ
    ですか? 資料として使われているのは吉田清治氏
    の著作「私の戦争犯罪」と千田夏光氏著「従軍慰安
    婦」と「女子挺身隊徴募資料」でしょう? しかも
    挺身隊と慰安婦を完全に混同していますよね。挺身
    隊が慰安婦にさせられたという事実は1件も確認さ
    れていないというのに(しかも話の根拠は裏付けな
    しの千田氏の著作から)。未だ韓国の公式見解は「
    軍命令による強制連行」を信じて疑わない、つまり
    は「狭義の強制連行」です。この事実を無視して語
    る事こそ公正さを欠き、(問題の本質があたかも最
    初から「広義の強制」であったかのような「錯覚」
    を起こさせる)偏ったイメージを広めるもとになる
    のではないでしょうか。詰まるところ結局残る根拠
    は裏付けの無い「慰安婦の証言」だけですよね。

 これについては、上の反論のほうに事実の誤認があるよう
です。根拠となる資料が二つだけというのも正確ではありま
せんが、

    あくまで韓国政府が問題にしている事は「狭義の強
    制連行」でしょう。

という断定にいたっては、原資料をよんでいたら、けっして
そのようにいえないものです。

 わたしは、韓国にくるまえに、この原資料を日本において
きてしまったので、別の場所で わたしの知人がこの問題に
関連してマスコミに同様の虚偽宣伝をした西岡 力氏へ反論
した文章を転載することにします。

 以下、転載しますが、転載された内容への責任は投稿者に
あります。

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 西岡 力氏は、近著『コリア・タブーを解く』(亜紀書房)
の188頁で、次のように述べています。

>ちなみに韓国政府が同年[92年]七月に公表した二百頁
>にわたる報告書では「慰安婦の強制連行があった」と断定
>しているのだが、その根拠として挙げているのは実は日本
>人の書いた二冊の本である。即ち、吉田清治著『私の戦争
>犯罪・朝鮮人強制連行』(三一書房)と、千田夏光著『従
>軍慰安婦・正篇』(三一新書)であり、前者は吉田氏本人
>が、後者では関東軍の後方担当参謀が各々朝鮮で慰安婦の
>強制連行を行ったと「証言」している。

 西岡氏の著書の中で、この部分以外に韓国政府の「公式見
解」と解釈できそうなところは、ほかに見当たりません。ま
た西岡氏は、「朝生」では、もっぱら吉田氏の著書が韓国政
府の公式見解の根拠であると強調していたにも拘わらず、こ
こでは千田氏の著書をも根拠に加えている点に、注目してお
きたいと思います。

 西岡氏の言う報告書とは、韓国政府内につくられた「挺身
隊問題実務対策班」が、1992年7月31日付で公にした
『日帝下軍隊慰安婦実態調査 中間報告書』(もちろん朝鮮
語)のことです。


 『日帝下軍隊慰安婦実態調査 中間報告書』を作成した挺
身隊問題実務対策班は、外務部亜州局長・金錫友氏を班長に、
17部署の関係課長をメンバーとして、1992年1月24
日に発足しました(報告書、8頁)。

 報告書は、全211頁からなり、「挺身隊問題の現況」
「日帝下軍隊慰安婦実態調査結果」「軍隊慰安婦証言事例」
「日本政府発見文書」「参考資料」の5部構成の形式をとっ
ています。このうちの、第3部「軍隊慰安婦証言事例」に、
元慰安婦13名の方の証言が掲載されています。

  ちなみに、第4部「日本政府発見文書」は、1992年
7月6日に日本政府が公表した127件の資料の一覧表であ
り、第5部「参考資料」は、とくに重要な資料18件を、原
資料のまま掲載したものです。

  さてこの中で、さしあたり焦点となるのは、第2部の
「日帝下軍隊慰安婦実態調査結果」(19〜68頁)で、こ
れは次のような内容になっています。

  1.軍隊慰安所の設置
  2.慰安婦募集
  3.輸送方法
  4.配置
  5.慰安所の管理
  6.移動
  7.戦争末期の状況
  8.連合軍による現地占領以後の状況
  9.結語

  項目だけ見ても分かるように、慰安諸制度全般にわたっ
て検討がなされており、決して慰安婦の「強制連行」だけが
問題とされている訳ではありません。「9.結語」の部分で
は、次のようにまとめています。(56頁)

>日本軍は慰安婦政策の発案、慰安所設置、慰安婦募集、輸
>送、管理などあらゆる面にわたって全面的に介入した。
> [中略]
>このような空前絶後の反文明的犯罪が純粋かつ完全に軍隊
>の戦争維持という技能的目的のために日本により平然と恣
>行され、最大の被害者は当時韓国の純粋無垢な未婚女性と
>一部既婚の若い女性たちだった。慰安婦問題は日本の植民
>統治としてわが民族が経験した受難中、最も暗い面を示す
>ものである。

  とくに気になるのは「2.慰安婦募集」中の「募集方法」
の部分ですので、要約してご紹介します。この部分は3つの
項目からなり、まず「詐術あるいは威圧的雰囲気による方法」
という項目で、千田夏光氏の著書を根拠に、

>1938年以後1940年頃までは業者が軍の許可の下に
>憲兵、警察、面長などの助けを得て、主に貧困な農村の農
>夫の娘たちを特地看護婦、軍看護補助員募集などの名目で
>誘い、募集したものと思われ、この時警官や面長が業者と
>同行することによって、威圧的な雰囲気をつくったり、犠
>牲者たちが業者のことばを簡単に信じるようにしたものと
>思われる。

と、述べています(報告書、33〜34頁)。続いて軍の関
与を示す決定的証拠として有名になった、陸軍省兵務局兵務
課「軍慰安所従業婦等募集に関する件」が紹介され、派遣軍
の許可を得て業者が慰安婦を募集したと説明されています。

 第2の項目は「事実上動員の方法」というタイトルが付け
られ、関特演の際に関東軍が朝鮮総督府に慰安婦の動員を依
頼したことを指摘したうえで、千田氏の著書や米戦時情報局
審問調書を根拠に、

>総督府は道・郡・面に動員命令を隠密に下達し、面長に動
>員させ、この時使用された手法は軍部隊での難民看護保護、
>軍需工場女工あるいは女子特殊軍属と騙したものと推定さ
>れる

と、記述されています(報告書、35〜36頁)。

  そして最も問題となるのは最後の「吉田清治の証言」と
いう項目です。この部分を全文引用します(報告書、36頁)。

> 韓国の未婚女性を慰安婦として動員したことは、新聞、
>ラジオで報道しないようにし、事実上、大規模に官が積極
>介入したが、隠密に施行された。しかし上記のように、募
>集、動員された未婚女性たちが慰安婦生活をするという事
>実は、ただちに国内に知られるようになったものと思われ
>る。当時、戦線に慰安婦がいるという事実を語れば、流言
>蜚語罪に該当するのであった。
> 結局1943年頃から、慰安婦動員に上記のような手法
>が通用しなくなると、19世紀アフリカでの黒人奴隷狩り
>と似たような手法の人狩りで、慰安婦を充員することにな
>った。
> 吉田清治は、彼の著書「私の戦争犯罪、朝鮮人強制連行」
>(1983、三一書房)第2章で、このような状況を証言
>している。

 念のため吉田氏の著書を確認すると、済州島の「慰安婦狩
り」の話が出てくるのは、「第2章」ではなく「第3話」で
す。また上記の内容は、吉田氏の著書の特定部分からの引用
ではなく、その論旨をまとめたもののようです。「アフリカ
での黒人奴隷狩りと似たような手法」などという表現は、吉
田氏自身は、使っていなかったように思うのですが・・・。

 以上、長々と紹介してまいりましたが、要するにポイント
は、

(1)韓国政府の「公式見解」における「慰安婦募集」の記
  述の根拠となっているのは、必ずしも吉田清治氏の著書
  だけとは言えないこと

(2)にもかかわらず、「朝生」での西岡氏の主張は、詐欺
  や威圧的雰囲気による動員さえ「強制連行」と認めない、
  「強制連行ナシ派」の中でも、とくに「強制連行」の意
  味をきわめて狭く解釈する立場からのレトリックであっ
  たこと

(3)韓国政府の報告書でも、いわゆる「強制連行」だけが
  問題とされているのではなく、「慰安婦」の「輸送」や、
  慰安所の管理などにおける、軍の関与も問題とされてい
  ること

 ということになろうか、と思います。韓国政府の報告書は
1992年当時の資料状況を考えれば、まず穏当な叙述と言
えますが、逆に言えば、あっと驚くようなものでもありませ
ん。

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 うえの転載中、「朝生」というのは、テレビ朝日の『朝ま
で生テレビ』のことです。そこに西岡氏が出演したときには、
著書よりもひどい、報告書の歪曲をしていたことになります。

 西岡氏は、金学順氏の証言のゆれについても、ある雑誌で
は「キーセンから慰安婦になった」などと、乱暴な表現をし
ていました。彼にとっては おなじことなのかもしれません
が、事実は、「キーセンの養成学校にかよったが、としがわ
かくてキーセンになれなかったので、養父につれられて満州
にむかったところ、列車のなかで連行された」ということで、
たとえ養父に売られた可能性があるとしても、「キーセンか
ら慰安婦になった」というのは明らかな うそです。
 西岡氏が狡猾なのは、そのようにかいた文章では金学順と
いう名前を出さず、わたしが本人に直接ききただしたときに
は「韓国で最初になのりでたひとが そうだったでしょう」
などという いいかたをして いかにも名前もおぼえていな
いような態度をとりながら、しばらくすると、また金学順氏
の証言のゆれを問題にするというやりかたです。さすがに、
「キーセンから慰安婦になった」では乱暴すぎるとおもった
のか、証言の不一致をたたくようになったのでしょうが、そ
れなら「キーセンから慰安婦になった」とかいたときには、
証言をよまずに どうやって断定していたのでしょうか。

 金学順さんの証言がゆれているのは、連行される最初の場
面の前後関係に集中しており、かのじょが 養父をかばって
いるからだと推測できます。逆にいえば、うったえの根幹に
なっているのは、当初から慰安所内での強制であり、連行に
しても、「広義の」連行です。金学順さんのうったえのなか
で、「軍による奴隷がりのような連行にあったから補償しろ」
といっているところが、どこにありますか? 

 韓国政府の報告書が、「狭義の強制連行」を問題にするよ
うなものではなかったのは、それが、13名の元「慰安婦」
からの ききとり調査をして つくられているからです。
「証言に裏付けがない」というひともいますが、むしろ、証
言によって、「強制連行」のイメージが広義にとらえられる
ようになったということが、直裁にその信憑性をあらわして
いるとおもいます。それまでの、韓国社会でのおもいこみと
はちがうことを(当時は吉田証言があったにもかかわらず)
あえていい、それが他の資料とも一致していたということが、
「本人でなければわからない」事実の暴露だといえるのでは
ないでしょうか。

   問題の本質があたかも最初から「広義の強制」であっ
   たかのような「錯覚」を起こさせる)偏ったイメージ

などという表現で、問題の本質があたかも最初から「狭義の
強制」であったかのような「錯覚」をおこさせているのは 
だれなのか、ということを、もっと追及していく必要があり
そうです。

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